
壁に掛けるLED電光掲示板は「壁が耐えられるか」がすべてです。屋外キャビネットは1㎡あたり15〜45kgで、これに風が押す力(風荷重)が加わるため、壁にかかる力は重量よりはるかに大きくなります。コンクリート壁にアンカーで済む現場と、別途鉄骨フレームに壁体補強まで必要な現場では、見積もりが2倍以上違います。
どんな壁に何が必要か、当社が実測時に判断する基準をまとめました。
1. 壁にかかる力は重量だけではありません
静荷重(重量)+ 動荷重(風・振動)。屋外では風が主役です。
構造検討では2つの力を見ます。静荷重はキャビネット・フレーム・付属品の重量で、動荷重は風が画面を押したり引いたりする風荷重、橋脚・高架では振動です。風荷重は画面面積、設置高さ、地域の基準風速で計算し、高い場所・広い画面ほど急激に大きくなります。6m×3mの屋外画面なら、風が押す力が画面の重量を上回ることも珍しくありません。
この力は画面 → フレーム → アンカー → 壁体の順に伝わります。どこか1か所が弱ければそこで問題が起きるため、当社は壁体 → アンカー → フレームの順に確認します。
2. 壁の材質ごとに方式が分かれます
実測時に最初に見るのが壁です。
| 壁の材質 | 固定方式 | 補強の要否 |
|---|---|---|
| 鉄筋コンクリート | ケミカルアンカーまたは貫通ボルトでフレームを直接固定 | ほとんど不要(老朽化・ひび割れ時は検討) |
| 組積(れんが・ブロック) | 貫通ボルト + 裏板、荷重分散プレート | 画面が大きい場合は独立フレームを併用 |
| サンドイッチパネル | アンカー不可 → 建物の鉄骨柱・梁にフレームを固定 | 必須(パネルは荷重を受けられない) |
| ガラスカーテンウォール | ガラス前の独立フレームまたはスラブアンカー | 必須(ガラス・サッシへの荷重は禁止) |
| 鉄骨(H形鋼) | クランプ・溶接ブラケット | 柱の間隔に応じて補強材を追加 |
| 柱・橋脚 | 巻き付けるトラス、工場で事前製作 | 専用の構造設計(曲面・柱型の記事を参照) |
3. アンカーが見積もりの信頼性です
「アンカー何本」ではなく「どのアンカーをどこに」です。
コンクリートにはケミカルアンカー(穴に接着剤を充填してボルトを固定)が基本で、薄い壁や組積は貫通ボルトで裏側から固定します。アンカー位置は鉄筋を避けて決め、施工後に引張試験で耐力を確認します。当社は引張試験の結果を竣工書類に残します。
パネル・ガラスのようにアンカーを打てない壁は、アンカーの代わりに建物の構造体(柱・梁・スラブ)にフレームを連結します。この場合フレームが大きくなり、仕上げ工事が追加されるため見積もりが上がります。
4. フレームと補強
壁が弱ければ壁を直すのではなく、壁に依存しない構造を作ります。
画面背面のフレームは亜鉛めっき角パイプやH形鋼で組み、壁から離して背面に空気が流れ点検ができる隙間を設けます(香村文化会館では上部に点検口を設けました)。壁体補強とは壁そのものを厚くすることではなく、スラブ・柱で荷重を受ける別の構造を立てることを指します。
屋外の鉄骨は亜鉛めっきまたは防錆塗装で仕上げ、溶接部は研磨後に塗装して腐食の起点をなくします。清道市場のアーチのような大型構造物は、工場で製作した後に現場で組立・揚重します。

5. 構造検討が必ず入るケース
以下に一つでも該当すれば、実測時に構造項目を別途確認します。
画面面積10㎡以上または設置高さ10m以上(風荷重が急増)
サンドイッチパネル・ガラスカーテンウォール・組積の壁
竣工20年以上の建物、ひび割れ・漏水の跡
橋脚・高架・歩道橋のように振動のある構造物
柱巻き、アーチ、片持ち(片側のみ固定)のように形状のある設置
建物屋上の手すり・パラペットに掛ける場合
① 壁付け型チェックリスト
実測前にこれだけお知らせいただければ、構造方式をすぐに絞り込めます。
壁の材質(不明なら壁面の近接写真 + 建物の竣工年)
壁の裏の空間(屋内か、配管・ダクトが通っているか)
設置高さと画面サイズ
建物の図面・構造図(あれば)
建物所有者・管理事務所の壁穴あけの同意
荷重・風荷重・アンカー:CNL, LED Billboard Wind Load Calculation・Sanco LED, Steel Structure Solutions・LEDinCloud, Installation Methods・JR Visual, Outdoor LED Structure Design。壁の材質別の方式と引張試験・点検口はLO-GIN ITの施工記録(香村文化会館・清道市場・クンゴゲ交差点)です。韓国国内の競合他社の資料は引用しておらず、数値はメーカー・モデル・現場によって異なります。
このガイドの推奨仕様
力 = 静荷重(重量)+ 風荷重・振動
コンクリート:ケミカルアンカー / パネル・ガラス:独立フレーム
背面の点検用隙間 + 亜鉛めっき仕上げ
10㎡・10m以上は構造検討必須