
「屋内用のほうが安いのに、外に付けてはだめですか?」ご相談で本当によく聞かれる質問です。答えは「だめです」ですが、理由は輝度だけではありません。屋内用と屋外用は輝度・防水・ピッチ・キャビネット・電力・輝度制御の6つがすべて異なり、この違いが価格差の理由です。
当社のラインアップ(屋内 P1.25/P1.53/P1.86/P2、屋外 P2.5/P3)を基準に、何がどう違うのかをまとめました。
1. 輝度 — 800 vs 5,000
最大の違いであり、屋内用を外に付けられない第一の理由です。
屋内モジュールは800〜1,500nit、屋外モジュールは5,000nit以上です。日中の直射日光はこれよりはるかに明るいため、屋内用を外に付けると昼間は消えているように見えます。逆に屋外用を屋内に付けると、明るすぎて目が疲れ、電気代もかさみます(輝度を下げて使うことはできますが、コストの無駄です)。窓際やショーウィンドウの内側のような中間的な場所には、2,500〜5,000nitの半屋外仕様が別途あります。
当社の屋内モジュールは800〜1,200nit、屋外P2.5は4,500nit以上、P3は5,000nit以上で構成しています(製品別の代表値。仕様書に基づき確定)。
2. 防塵・防水 — IP20 vs IP65
屋外用は雨に当たるものではなく、雨に当たっても大丈夫なようにつくられたものです。
屋内モジュールはIP20〜IP40で十分です。屋外モジュールは前面IP65(粉塵の完全侵入防止+あらゆる方向からの噴流水)に背面IP54以上で、LED素子の上に防水マスクとシリコン処理が施されます。キャビネットの接続部や配線の引き込み部も、現場でシリコンにより仕上げます。この防水構造のため、同じピッチでも屋外モジュールは厚く、重く、高価です。
3. ピクセルピッチ — 精細さ vs 距離
屋内は近くで見るので細かく、屋外は遠くから見るので広く。
屋内モジュールはP0.9〜P2.5が主力で、屋外はP2.5〜P10です。視聴距離(m)≒ピッチ(mm)の原則によるものです。ロビーのソファから2m先の画面にはP1.5〜P2が必要ですが、道路の向かい側20m先の電光掲示板ならP8〜P10で十分で、P2.5を使うとコストが数倍に膨らむだけです。屋外用P2.5は、ショーウィンドウや低層外壁のように、屋外でも近くから見る場所向けの仕様です。
| 当社ラインアップ | ピッチ | 推奨視聴距離 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 屋内 P1.25 | P1.25 | 約1.5m以上 | 管制室・役員会議室・スタジオ |
| 屋内 P1.53/P1.86 | P1.53 / P1.86 | 約2m以上 | ロビーのメディアウォール・展示場・会議室 |
| 屋内 P2 | P2 | 約3m以上 | 講堂・イベント会場・店内案内 |
| 屋外 P2.5 | P2.5 | 約3m以上 | ショーウィンドウ・近距離の外壁・低層商業施設 |
| 屋外 P3 | P3 | 約4m以上 | 店舗外壁・中型屋外電光掲示板 |
| 屋外 P4〜P10(案件ごとに調達) | P4~P10 | 8m以上 | 橋脚・ゲート・大通り沿い・屋上 |
4. キャビネットと重量
屋内は軽く薄く、屋外は錆びず水が入らないように。
屋内キャビネットはアルミダイカスト製で薄く軽いため、壁付け・埋め込み・移動型(キューブ・イベント用)が容易です。屋外キャビネットは亜鉛めっき鋼製または粉体塗装に防水パッキンが入り、夏場に内部の熱を逃がす換気構造が必要です。重量は材質により1㎡あたり15〜45kgで、屋外では構造物・壁体の補強検討がほぼ必ず伴います。
5. 消費電力と電源
輝度が高いほど電気も多く使います。屋外は専用回線です。
屋外モジュールは最大輝度(全面白)基準で1㎡あたり400〜900W、実際の映像送出時の平均は最大値の35〜40%です。屋内モジュールは輝度が低いため、同じ面積でもはるかに少なくて済みます。そのため屋内は既存の回路に接続する場合もありますが、屋外は専用回線と分電盤が原則です。計算方法は専用電源と分電盤のガイドにあります。
6. 輝度制御
屋外は昼と夜で異なります。自動調光が基本です。
屋内は照明が一定なので、輝度を固定するか時間帯別のスケジュールで十分です。屋外では日中5,000nitで点灯していた画面を夜もそのままにするとまぶしさへの苦情が寄せられるため、照度センサーで周囲の明るさに応じて自動調光する構成が基本です。当社が施工した屋外現場はすべてこの方式で、運用時間のスケジュール(例:7〜23時)まで併せて設定します。
① 設置場所別の最適なモジュール
よくご質問いただく空間別にまとめました。
| 設置場所 | 適したモジュール |
|---|---|
| 役員会議室・管制室(2m以内) | 屋内 P1.25〜P1.53 |
| ロビーのメディアウォール・ショールーム・展示場(2〜3m) | 屋内 P1.53〜P1.86 |
| 講堂・イベント会場・店内案内(3m以上) | 屋内 P2 |
| ショーウィンドウ内側・軒下(直射日光なし) | 屋外 P2.5または半屋外仕様(輝度を確認) |
| 店舗外壁・低層商業施設(3〜5m) | 屋外 P2.5〜P3 |
| 道路沿い・橋脚・屋上(10m以上) | 屋外 P6〜P10(案件ごとに調達) |
② 選定時のチェックリスト
屋内・屋外を決めたら、これだけ確認すれば十分です。
直射日光が当たる場所か(窓際・軒下は半屋外仕様を検討)
視聴距離(m)→ ピッチ(mm)
雨・粉塵にさらされるか → 前面IP65が必須かどうか
壁・構造物がキャビネットの重量に耐えられるか
専用回線を引き出せる分電盤があるか
夜間運用時に自動調光が必要な周辺環境か
屋内・屋外の違い(輝度・IP・ピッチ):INFiLED, Indoor vs Outdoor LED Displays・EagerLED, Indoor vs Outdoor LED Displays・Unilight, LED Display Specifications Guide/輝度基準:4Wall・Litemax/消費電力:DOIT Vision・NSELED。ラインアップの仕様はLO-GIN IT製品ページの代表値で、製品仕様書に基づき確定します。
このガイドの推奨仕様
屋内:P1.25〜P2・800〜1,200nit・IP20〜40
屋外:P2.5〜P3(+P4〜P10調達)・5,000nit以上・IP65
半屋外:輝度2,500〜5,000nitを別途検討
屋外は専用回線+自動調光